──…ぅわあぁぁ…これどうすりゃいいんだっ!? 人を呼びたいとこだけど、もう寝静まってるし…それに解毒剤飲んで
回復に向かってんなら、下手に騒ぎ立てねー方がいいよなぁ。あとでコイツに何されるかわかんねーし……

 ディーノは無意味にきょろきょろと周囲を見渡してから、並んだ宿舎の窓に目を止める。
 宿舎は二階建てで窓は無数にあったが、どの部屋からも灯りは見えず、この騒ぎに誰も気付いていないようだった。

──プライド高そうな奴だし、こんな姿…絶対誰にも見せたくねーよな。一体どうすりゃ……

 ディーノはスクアーロの頭を肩に乗せて、自由な右手で彼の背に触れる。
 無駄な肉など微塵も無く、限界ギリギリまで細く削られたような体だった。尖った肩甲骨が手のひらにしっくりきて、抱き止めるのに都合がいい。

──熱が少し高めな気がするけど、呼吸も脈拍も安定してるようだから……あとは寝かせておけば、いいのか…?

 ディーノは唇だけ動かして考えながら、スクアーロの体を抱き上げる。開いたままキィキィと鳴っている窓を見据え、真っ直ぐに歩いて行った。

※sampleおわり(一章の途中までです)

Novel>



HOUSEKI-HIME N