ボスの羽飾りの間から、墓がちらりと見える。
気にならないと言えば嘘になるが、このままここで…この匂いの中で──抱かれたかった。
「ボス…ッ、ボス…ッ…!」
シャツの背に縋りついて、もっともっと…と、唇を求める。
俺の体は焼却炉に放り込まれた細い蝋燭みたいに、ドロドロに溶けて、芯が辛うじて残っているだけ──そんな感じで、奥が疼いて堪らなかった。
「ボス…ッ……XANXUS……!」
「何だ? カス」
ボスは掠めていた舌を引いて、俺をじっと見下ろす。
「ボス……」
むしゃぶりつきたくなる唇を見つめて、俺は…いつになく細く小さな声で、「してくれ──…」と続けた。
次の瞬間──
視界の手前から奥へと、七色の光が駆ける。
ボスは俺に覆いかぶさったまま、片手を振り上げていた。
「!」
木漏れ日を受けて光ったのは、クリスタルのグラスで──
息を呑む暇もなく、グラスの底が額に打ち付けられる。
ゴガッ!と頭の中で鈍い音がして、目の前が星だらけになった。
「──…っ、てぇ…っ! う゛ぉ゛ぉ゛ぃ! 何しやがるっ!」
「俺が産まれた日に、テメェがねだるな」
「……ぅっ」
ボスは割れなかったグラスを一つ目と同じように丘に放ると、重らかに身を起こす。
額は相当に痛かったが、切れてはいなかった。
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