『一日でいいから、普通にデートして欲しい』
三日前、屋上でそう言った時はまるで相手にしてもらえず、一笑に付されただけで…返事すら無かった。 随分遅くなったけど、これはもしかすると……
「──おい、へなちょこディーノ」
重なっていた唇がいつの間に離れたのか、スクアーロの姿が再び見える。
顎をクイッと突き出して、プールの端に向けていた。
「ぼけぇっとしてねぇで、さっさとスタート地点に着けぇ」
「ぉおうっ! スクアーロッ、俺っ…負けねーからな! 競争とか苦手だけど、これは別! たとえ結果が同じでも、勝ってお前とデートしてみせるっ!」
「ほぉぉぉ」
俺は一歩引いてザプンッ!と潜り、一気に泳ぎだした。
宣言したものの……絶対に絶対に、勝てないと思った。
重く冷たい水を掻き分けながら、自分の体の熱さを感じるし──
心拍数がやばすぎて、心臓が止まりそうだから……
スクアーロはずるい。
勝負の前に思わせぶりな事を言ってキスするなんて、反則中の反則だ!
白銀の鮫を…水の中で負かせて、捕らえて、少しだけでいいから──見直して欲しかったのに…!
Fin.
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