少し癪だが、たまには褒めてやらないとな──
褒めて伸ばす。
コイツは素直だから、たぶんもっと頑張るだろう。
それは俺にとっても……
「よしっ! やっと外見以外の長所がわかったぜっ!」
奴はたちまち表情を変えると、俺にクルッと背を向けた。
ついさっき放り投げたペンを握って、プリントをノートの上で広げ──空欄にペン先を……
「う゛ぉ゛ぉ゛ぃっ!」
思わず腕に飛びかかって、阻止していた。
なんなんだコイツは……人斬りの俺が常識とか言えた義理じゃないが、非常識にも程があるだろう。
「スクアーロ? 何だよ、書けねーじゃん」
「それはやめとけぇぇ」
「え、何で? 一つの立派な技術っていうか、特技っていうか、十分長所になるだろ?」
「なっても書くなっ」
「何だよぉぉ、セックスは人間の本能だぜ。大事な行為じゃねーか!」
「──…繁殖できんならなぁ」
点火された上に放置された体のまま…俺はだんだん疲れてきて、奴の手からペンを毟り取った。
「あっ、スクアーロ!?」
「プリント貸せぇぇ」
俺は下敷きのノートごと、プリントを奪い取る。
まだ真っ白な長所欄いっぱいに…──余計な事がもう何も書けないように、『天然!』とでっかく書き殴った。
Fin
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