「ボスッ…!?」
「カスがっ、俺に楯突くんじゃねぇ!」
XANXUSは腹の底から怒鳴ったが、それだけにとどめた。
男の嫉妬を煽るならば、対象は美しければ美しいほど効果的で──今、スクアーロの顔に傷を付けるわけにはいかなかった。
「ボス…なんでっ」
怪訝そうに言われたところで手加減の理由を語る気はなく、物足りない右拳を開く。純白のシャツに包まれた背中に手を回して、細腰を思い切り引き寄せた。
「ぁっ…!」
長い髪が胸に当たると同時、スクアーロの重みが膝に伸しかかってくる。
至近距離で見る顔の半面は赤みを帯びているものの、その美貌に大きな遜色は見られなかった。
「ボス…?」
「相変わらずしぶといツラだ。クソ生意気な口を縫いつけさえすれば、悪くねぇな」
「!」
本当に縫いつけてしまいたい唇を、キスで塞いだ。
一人掛けの椅子に座ったまま、スクアーロの体を両手で掻き抱く。
「……ぅっ、んっ…!」
XANXUSは舌を突き出し、驚いて固まっている唇をこじ開けた。
背中に当てた手を次第に上へと滑らせて、うなじを捉える。
「──…っぅ…ぁ……」
首ごと引き寄せて舌を吸うと、スクアーロの体から急速に力が抜けてゆくのがわかった。
それは筋肉が瞬時に弛緩するかのような勢いで、膝に掛かる重みは増してゆく。
「はっ、ぁ、ふ……っ……」
唇を完全には放さず、掠める程度に解放した。
するとそこから、想像以上に淫らな吐息が漏れてくる。
「……んっ……ボス…ッ……ボス……!」
甘く色付く声は心地よく──容易く手折れる花のように、スクアーロのすべてが我が物に感じられた。
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