「XANXUS…!!」
「わざわざ御足労な事だな、跳ね馬ディーノ」
ディーノの声、そしてXANXUSの放った言葉に──わかりきった存在がより明確になる。鉛を押し込まれたように胸が重くなって、大きく開いたままの口は痺れていった。
「これはいったいどういう事だっ! 無礼にも程がある!」
声を張り上げたのは、ディーノではなかった。
いつも傍にいる部下の男で、その横にいるらしいディーノは絶句しているようだった。
「ボスッ、帰りましょうっ! いくら何でもあんまりだ」
「ロマーリオ……いいから──」
いつになく低く小さな声で言ったディーノは、足音だけは荒々しく近付いてくる。
突きだしていた腰の後ろに立たれたのがわかり、スクアーロは元々苦しい息をさらに詰めた。
「XANXUS! どういうつもりか知らねーがっ…それを今すぐやめろっ」
「失礼したが、なにしろこのカスが下手でどうしようもなくてな──お前が来る前に終わる筈が、一向に終わらねぇ」
XANXUSは背もたれに体を預けながら、ククッと笑う。
その視線に一瞥されたスクアーロは、表情とは裏腹などす黒い感情を…鳶色の瞳の中に見出していた。
「んっ……ぅ」
「御託はいいから早く終わらせろっ! さっさと用件に入りたいっ」
背中で感じるディーノの声は、怒りに震えていた。
さらに踏み込む彼の爪先が、ブーツの裏側に微かに当たる。
「カス、終いだ。ドン・キャバッローネはお忙しいそうだ」
その言葉と同時に、髪を斜めに引っ張られた。
著大な侵略物がずるりと抜けて、唇が解放される。
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