ディーノの両腕の輪に座ったに近いスクアーロは、その体を突き飛ばすなり立ち上がった。
「跳ね馬ぁ! テメェが来る度、ろくな事がねぇぞぉぉ!」
何故こうなるのかと…元を辿ってゆくと、瞬く間に怒りが爆発した。
XANXUSは相変わらず横暴ではあったが、昔のように理不尽な暴力は減っていたものを…近頃また荒れ始めたのは、この男が絡んでいるように思えてならなかった。
「冗談じゃねぇぞぉぉ!」
スクアーロは怒鳴るだけ怒鳴って、扉に向けて一気に走りだす。
丸腰な上に、事前にしていた行為が頭から離れなかった。
これ以上吠えても虚しい事を知っており、扉を壊す勢いで廊下に飛び出す。
「スクアーロッ!」
「あ゛ぁ゛ぁ゛っ!?」
スクアーロは背後から迫るディーノの声に耳を打たれ、不愉快な思いの中で振り返る。
長く続く廊下を、大股でたった五歩──まだそれだけしか進んでいなかった。
「ついて来んなぁぁ!」
「待ってくれ!」
ディーノは叫びながら、開け放たれていた扉を顧みる。
鍵を掛ける事は叶わぬものの、中に残された二人に「出てくるな!」と言わんばかりな轟音を立てて、重厚な扉を完全に閉めた。
「跳ね馬…っ…!」
「スクアーロッ! 大丈夫かっ!?」
豪奢な扉が無数に並ぶ廊下を、真っ直ぐに駆けてくるディーノだったが…スクアーロはその姿を前に、はたと過去の記憶を重ねる。
「お、おい、走ると転ぶぞぉぉ」
「うわぁぁっ!」
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