「ぅ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぃっ!」
「スクアーロ……」
「!」
耳たぶに唇を掠めながら、直接息を吹きかけるように囁かれて……その刹那、XANXUSの声が脳裏に浮かぶ。
『──…スクアーロ』
ここ最近、ベッドの中ですらそう呼ばれてないな──…と思うと、胸がキュッと締めつけられた。いっそ「カス」のままでもいいから、血が沸騰するような甘い響きを…あの声で注いで欲しかった。
するとその時、唇に柔らかいものが当たる。
「……っ、んんっ!?」
ついぼんやりしていた事を自覚して目を見張ると、金茶の長い睫毛が至近距離に見え、唇はぴたりと塞がれていた。
「……っぅ、ん……!?」
舌こそ入れられなかったが、顔を斜めにしながら熱烈に迫られる。
ディーノの唇に違いないそれは、以前とは何もかも違って感じられた。
「ンッ──…」
「……っは、っ、ぅっ……」
両手を掴まれ頭ごと押されて、思うように抵抗出来なかった。
そうしているうちに後頭部が壁に当たって、接触がより深まる。
唇だけにも拘わらず膝が妙に遊んでしまい、立っているのもやっとだった。
「んっ……ふっ、ぅ……!」
「──…ッ、スク……ッ、アーロ……」
おもむろに離れた唇は、僅かに濡れている。
それが目の前で動きだす様を見ながら、スクアーロはしばし呆然とした。
「──…」
「スクアーロ……すまねー…いきなり強引な真似しちまって──」
「……ッ!」
ディーノの言葉に、冷水をかけられたような勢いで我に返る。
同時に抑えがたい胸騒ぎがして、自分の芯を奮い立たせるように唇を結んだ。
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