「くっだらねぇぇ! お前ら頭腐ってんじゃねぇのかっ!?」
XANXUSの腹心として、剣士として、戦闘能力の回復だけを真剣に考えていた自分と比べて、何て下卑た事を思いつく連中なのかと…呆れ返るあまり車椅子から乗り出し、そのまま転げ落ちそうになった。
「ちょっとスクちゃん、乗り出すと危ないわよぉ」
「うるせぇぞオカマ! この俺をっ…テメェやそこらへんの女と一緒にすんな! 俺は傷痕なんかいちいち気にしちゃいねぇぞぉぉ!」
声の限りに怒鳴ったその時だった。
背後の扉が左右同時に開いて、浅黒い肌をした覆面の女が二人現れる。
「お静かに」
「チェルベッロ!」
声を上げたのは数名同時で、高低差のある音が重なって響き合った。
スクアーロが彼女達の姿を目にしたのはリング争奪戦以来だったが、その時の女達と同一人物なのかどうか判別がつかず、再会なのか初対面なのかわからなかった。
「あなた方は反逆者として、処分を受けるために集められている事を忘れないで下さい」
「早速ですが処分を申し渡します。これは現在日本にて加療中の九代目と、門外顧問沢田家光氏の決定によるものです」
まるで双子のようによく似たチェルベッロの言葉に、ヴァリアー幹部五名は静まり返る。
だからといって誰一人として処分を恐れてはいない事を、スクアーロは肌で感じていた。
ただ一刻も早くXANXUSと我が身に下された処分を知り、その上で次の行動を起こし先に進みたいという──その気持ちは、皆同じに思える。
「マーモン、ベルフェゴール、レヴィ・ア・タンの三名は、このままヴァリアー本部に戻って下さい」
チェルベッロの一人が放った言葉に、そこにいた全員が息を止めた。それがどういう意味かと追及するより前に、もう一人のチェルベッロが口を開く。
「九代目が日本の病院に入院中である事が、一部のマフィアに知られてしまいました。これを機に暗躍する敵や同盟ファミリーを、ボンゴレが総力をもって見極め、逆に膿を出して一掃するための好機に変えたいと──お二人は考えていらっしゃいます」
「つまり、膿を名指しするからどんどん殺せってこと?」
ククッと笑いだしたベルフェゴールに対し、チェルベッロは無表情のまま頷いた。
「端的に言えばそうなります。ボンゴレ独立暗殺部隊として、あるべき働きを期待しているという事です。ただし、私的な殺人は一切禁じます。これは本来なら言うまでもない当たり前の事ですが、ベルフェゴール、貴方には特に言っておきます。あくまでも処罰である事を忘れないで下さい」
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